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ロタウイルス

 
 

ロタウイルスとは

ロタウイルス感染症は、乳幼児をはじめ子供に多い急性胃腸炎を引き起こす感染症で、2〜3月にかけて最も多く発生します。
先進国、発展途上国を問わず、罹患率が高いのがロタウイルスです。
他のウイルス性胃腸炎にくらべて下痢や嘔吐の症状がはげしいことが多く、入院が必要となる小児の急性胃腸炎の原因のうち50%を占めるとされています。
 
成人にも感染しますが、軽症ですんだり発症しなかったりする場合が多いようです。
治ったあとの免疫は不完全で、再び感染することもありますが、通常二度目は重症にはなりません。
尚、原因ウイルスであるロタウイルスは、10-100個程度でも体内に入れば感染するので、非常に感染力が強く、(便1g中には1億から100億程度のウイルスが排出されます)生後6ヶ月〜2歳の乳幼児に多くみられ、ほとんどすべての子供が4~5歳までに感染します。
 
従来、12~1月に流行し、冬季下痢症と呼ばれてきましたが、最近の日本での流行のピークは2~4月となっています。初冬(11月~1月)に流行するノロウイルス感染症と入れ替わるようにロタウイルスの流行がみられ、ウイルス性胃腸炎として二峰性のピークを示すことが最近の日本での流行の特徴です。
 
ノロウイルス、ロタウイルスともに感染力が非常に強いうえに、アルコール消毒や熱に強く、予防が難しいことが特徴です。

感染経路


感染は糞口感染で、主な感染経路は間接接触もしくは直接接触による感染です。また、半数近くに気道症状がみられることや罹患率の高さから気道感染(飛沫感染)の可能性も考えられます。

ロタウイルスは患児の糞便中に大量に含まれます。感染性のある期間(糞便中にウイルスの検出される期間)は通常、下痢発症2日前から発症後10日間くらいとされますが、重度の下痢の場合は25~57日間検出され、免疫不全状態ではさらに長期に及びます。潜伏期はおよそ2日です。
 

症状


嘔吐と下痢、発熱の3つが主な特徴です。特に乳幼児では3つともの症状がそろいやすく、脱水や代謝性アシドーシスをきたしやすくなります。
 
潜伏期間は1〜3日で、主な症状としては激しい嘔吐や下痢39℃以上の発熱です。便の色が白色になることがあり、大量の水様性の下痢が出ることから脱水に陥りやすく注意が必要です。
発症後、通常であれば2〜7日程度で症状は治まりますが、まれにけいれんや脳症を合併することがあるので注意が必要です。

典型例では病初期に嘔吐と発熱がみられ、続いて下痢が始まります。嘔吐は特徴的症状で、突然起こり、これを契機に医療機関を訪れるケースが多く見られます。
通常、嘔吐は発症1~2日目にみられ、3日目以降少なくなります。経過中の総嘔吐回数は乳幼児では5~6回を超えることも多くあります。

下痢は水様性から泥状です。患児の半数近くにみられる白色~黄白色便は特徴的ですが、同様の色調はノロウイルス感染症についてもみられるため注意が必要です。
腸重積の合併などがなければ、通常血便はみられません。

発熱の持続は2日を超えることは少なく、多くが半日~1日です。最高体温は40.2℃に達することもあり、39.1℃以上が14%に、38.0℃以上が65%にみられます。

予防


感染力が強く、保育所などでもあっという間に流行します。
手洗いなども大切ですが、完全に伝染を抑えることはできません。根本的な治療法がないために、ワクチンによる予防が重要です。
 
ロタウイルスワクチン(任意接種・生ワクチン)を飲んで(経口)予防します。
かかってしまうと根本的な治療法はありませんが、ワクチンで重症になるのを約90%防ぐことができます。
WHO(世界保健機関)は、ロタウイルスワクチンを子供が接種する最重要ワクチンのひとつに位置付けています。