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園選び -ある家族の話-

 

これから入園に向けて保育園を選ぶ家族の話

ぜひ大切な我が子を預ける保育園。
園を選ぶ基準や観点は様々ですが、これから園を選ぶ保護者の方にとっては、とても参考になるお話かもしれません。

妊娠から出産、そしてわが子の保育園選びを考えるある家族の話です。
その女性は会社で事務員として働く、ごく普通の生活を送っていました。
友人の紹介で知り合った2つ年上の男性と結婚し、めでたく妊娠。つわりで苦しんだ時期もありましたが、お腹の子どもはすくすくと順調に育っていくと、いよいよ出産を控え産休に入りました。

日々大きくなる自分のお腹の中でわが子が動くのを感じます。
「元気のいい子ね。もうじき顔を見られるのを楽しみにしてるわ」
初めての妊娠~出産で不安も大きいけど、ママになる実感が
徐々に湧いてくる幸せな日々を過ごしていました。
 
予定日を数日過ぎたある日の夜。
「あなた、お腹が痛い…陣痛、始まったみたい」
 
どうしていいのかわからずに慌てる旦那さんを横目に、痛みの治まった隙に病院に連絡すると、「陣痛が10分間隔になったら病院にきてくださいね」とのこと。
旦那さんはもう車のエンジンをかけてソワソワ。
 
いよいよ病院に到着すると看護師さん達は万全の体制で出迎えてくれ、すぐに分娩室へ。
「よくここまで頑張りましたね!さぁ、もう一息ですよ!はい、いきんで!!」
旦那さんの励まし、それぞれの両親や家族の応援もあり、無事に出産。
目鼻立ちのしっかりした男の子です。
「ありがとう、よく頑張ってくれたね」
胸に乗せた赤ちゃんを見ながら嬉し涙が止まりません。
 
二人がついに親になった日です。
 

「この子を心も体も健やかに、大きな夢を持つ男の子に育てるんだ」と心に決めて、そんな両親の愛をたっぷり受けながら男の子は元気いっぱいにミルクを飲んで育っていきました。
 
あっという間に日々は過ぎて3ヶ月が経とうとした頃、産後の産休も終わりが近づき職場への復帰を考える時期になりました。
「あと3ヶ月で産休が終わるからどこか預ける保育園を探さなきゃ」
 
ママは1年前に出産した友人に話を聞きました。
「う~ん、特に預け先で悩むことはなかったかな。聞いたらちょうど近所の保育園が空いてたからね」
「そっか~、タイミング良かったんだね」
「市役所に保育園が空いてるか聞いてみた?」
「ううん、まだ。これから聞いてみるね」
 
両親にも聞いてみると、「私たちもまだ仕事があるから見てあげることもできないし、どこか近くに入れられる保育園はないの?」とのこと。
 
市役所の保育課に相談に行くと、「A保育所には乳児さんの空きがあるので大丈夫ですよ。申し込みしますか?」
「あ、はい。じゃあお願いします」

その日は申し込み用紙をもらって家に帰り、仕事から帰ってきた旦那さんに今日のことを話しました。
 
「ねぇパパ、今日は市役所に行って保育所の空き状況を聞いてきたの。そしたらA保育所に空きがあるっていうから良かったわ。この時期に空きがあるなんてラッキーよね!」
 
自分の幸運に意気揚々と話をしたのだけれど、旦那さんは今ひとつ浮かない表情。
「どうしたの?あ、わかった。いざ預けることを考えたら寂しくなったんでしょ!」
 
図星でしょと言わんばかりに顔を覗き込むと予想外の返事が。

「いや、違うんだ。当然仕事の復帰もあるからどこかに預けることは必要なんだけど、僕たちはこの子を立派に育てようと誓ったよね」
「そうね、私たちが一生懸命働いて、この子を立派に育てなきゃね」
 
「うん…僕が言いたいのはそういうことじゃなくて、A保育所を選んだ基準は何だったのかなということなんだ」
「親の都合で空いている所に預けるというのは、本当にこの子の成長や将来を思ってのことになるのかな…って」
 
「園を見て、保育士さんを見て、園の方針とか雰囲気とか、よくわかんないけどそういうのを見たうえで、この子の成長に必要だと思う場所に預けることが、親としての役割りなんじゃないだろうか」
 
まさかの話に驚いた。確かに言われてみればその通りなのだから。
 
大切なわが子がを預けるのに、事前に園も見ていなければ保育士さんと話もしていない。
話したのは市役所の保育課の窓口の人とだけ。
 
そう思っていると続けざまに彼は言った。
 
「昔から三つ子の魂百までって言うよね。三歳までの育ちで一生の基礎が出来上がるっていうことわざ。それって、三歳頃までにすごくいろんな事を見て、聞いて、感じて学ぶ大切な時期ってことだよね?この子が長い時間を過ごす場所だから、この子の将来は園の保育内容とか環境に結構影響されちゃうんじゃないの?」

返す言葉もないが、大きな嬉しさが込み上げてきた。
 
だってパパがこんなにもわが子の今と
将来のことを考えてくれているのだから。
 
子どもは単に預けてしまえば良いのではなく、 親がこの子にはどう育って欲しいか親の意向を汲んで、そのために この園はどんな環境でどんな保育をしてくれるのか。
それに共感して納得できなければ、自分の命よりも大 切なわが子の将来の芽を摘んでしまうかもしれなかったのですから。
 
この夫婦はそれからしばらく「わが子の育ちために」という基準でいろんな園を見て回り、自宅から少し離れた場所ではあるけれど、安心して納得できる園を見つけることができたようです。

これから二人の子どもが毎日どのうな環境でどのような生活をして、成長していくのか
楽しみですね♪