企業主導型保育のメリット(長所)・デメリット(短所)について。
平成27年度の保育新制度に基づき、翌年平成28年度より開始された新しい保育のかたちである企業主導型保育。
まだまだ世の中には知られておらず、わからないこともたくさん。
ここでは企業主導型保育のメリット・デメリット、長所・短所について解説します。
そもそも「企業主導型保育」って何?という方はこちらをご覧ください。
企業主導型保育とは
企業主導型保育の利用形態は提携企業が優先的に利用できる「企業枠」と、地域の保護者が利用できる「地域枠」があります。
ここでは一般の方の利用を対象とした「地域枠」を基準に説明します。
デメリットを考えがち。それが間違いの第一歩。でも・・・
買い物をするときや、食事やお出かけ先、何かを選ぶとき、最近の傾向としてスマホやネットで調べやすくなっているのですが、調べることは「デメリット」が多くないですか?
保育園に子供を預けるということは、親にとって一大決心ですね。
この時も、保育園の規模や形態、地域などのデメリットばかりを必死に探してしまう傾向があります。
しかし、
子供が過ごす環境において大切なことは、まず「我が子にとってメリットがどれだけあるか」です。
保護者にとってのメリットが我が子にとってのデメリットが大きいとしたら考えなければなりません。
もちろん理想は保護者にとっても、我が子にとってもメリットが十分にあることですが、その条件を100%を満たす園があるかといえば現実的には難しいですよね。
一般の保育園にはデメリットが無いかといえば、決してそのようなことはありません。
一般的な保育園のデメリットが企業主導型保育ではメリットだったり、企業主導型保育のメリットが一般の保育園のデメリットであることも多々あります。
おそらく全てのことにメリットとデメリットがありますが、要はそのバランスです。
ですから「親として何に重きを置くか、何を重要視するか」です。
ぜひ、メリットとデメリットの両方を見て検討してみてはいかがでしょうか。
でも・・・
企業主導型保育においては、気を付けないと大きなデメリットがある場合があります。
これだけは気を付けなければなりません。
このページでは実際に企業主導型保育を運営している園が考えるデメリットも詳しく説明していきます。
ではさっそく企業主導型保育のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット(長所)は「入りやすい」ということ
企業主導型保育は一般的に「小規模」であることが多く、さらに0.1.2歳の未満児保育(3歳年少前)であることが多いです。
認可保育園に入ろうとした場合、管轄の行政(市役所など)に申し込みに行きますね。
認可保育園は常態的に0.1歳は定員いっぱいで入りづらい現状というのは誰もが知る通り。
しかし、企業主導型保育はあまり知られておらず認知度が低いため、案外0.1.歳でも産休明けや育休明けなど年度の途中で入りやすいということがあります。
勤務先の会社が企業主導型の園と提携を結んでいれば優先的に入れる可能性もかなり高いです。
さらに企業主導型保育は行政(市役所など)が管轄する認可保育所ではないため、申込は直接園に行って手続きします。
そのため、不特定多数の保護者の申し込みに対する審査ではなく、園に申し込みに来た順に手続きを随時してもらえるため※、タイミングが良ければ入れる可能性が高いです。
※園によっては申込期間を設けて一斉審査をする場合もあります。
また、小規模で運営している園が多いため小規模保育のメリットを感じることができることも良いですね。
デメリット
圧倒的なデメリット。
というか、心配な事。
企業主導型保育は一般企業が「自社の従業員のための事業所内保育所」の拡張版として簡単に新設することができるため、保育事業とは全く関係の無い事業主が突然保育園を始めていることが多いということです。
また、この保育事業を金儲けの柱として考え、やみくもに複数の園を同時期に開所させている企業もあります。
そのいくつかは国の監査により厳重注意を受けたり、閉園となっている園もすでに存在します。
企業主導型の保育園を設置した会社の従業員の方であれば、自社の園なので預けやすく安心感があると言えるかもしれませんが、さて一般の地域の方の利用として考えた場合はどうでしょうか。
「これまで保育をしたことがない会社が運営する保育園に安心して預けられるかどうか」です。
保育の専門会社に運営を外部委託して実施している園もあります。
その場合は一定の安心感はありますね。
また、当初は自社の従業員のお子さんだけを預かっていたが、保育事業の経験を重ねて安定した良い保育が実施できるようになったことで地域のお子さんを預かるようになる園もあるでしょう。
いずれにしても、親の責任として園を正しく理解することが必要です。
これを見誤ると
大切なわが子の成長にとって圧倒できなデメリットとなる可能性がある
ということをぜひ覚えておいてください。
そして付け加えるとしたら、そのデメリットは人の一生涯の人格の基礎基本にまで影響してしまう可能性があるということも覚えておいてください。
では、どうすれば良いのか。
ポイントはこれ。
園に見学に行き雰囲気を感じ、保育士や園長先生の保育に対する考えや理解を知ること。
企業がお金をかけて外観や内装の演出や見た目で勝負している場合があるので、本質(保育)がしっかりしているかを見定めること。
もちろん、設備がきれいで整っていることは良いことです。
しかし、見た目だけにとらわれず「日々行われる保育」こそが大事ということを見失わないようにしましょう。
OLive保育園は企業主導型保育を山梨県で最初に実施した園ですが、もともと小規模保育園を長く運営しているため、保育への考え、保育内容、経験値が十分に整っています。
山梨県で最初に始めた理由は「最初の園は基準になるから」
OLive保育園が企業主導型の保育園を一番最初に始めなければならないと考えたのは、保育をしたことのない会社の運営する園が基準となってしまう恐れを感じたからです。
この制度はデメリットで説明している通り、保育事業と全く関係ない会社が簡単に新設できます。
会社の新規事業(収益の柱)として同時に複数園を申請して開所する企業もあります。
これは本来の企業主導型保育の考え方と大きく違うので問題となっています。
このことについて国も問題を感じるようになり、先般の委員会にて新規の設置認可には5年以上の保育所運営経験が必要という条件を含め、新設の基準が厳しくなってきました。
しかし、これまでに新設した園(申請が通っていて開設前も含む)は旧基準による新設になるため預ける際のリスク検討が必要です。
お預かりするのは小さな命であり、地域の社会の未来の宝である子供たちです。
その子供たちが正しく健全な保育環境で育つことができるように、企業主導型保育の基準となる園として1番最初に始める必要があると考えたからです。
現在、山梨県内のみならず近県からも企業主導型保育園の立ち上げに際して見学や相談がよく来ます。
立ち上げのアドバイスから、それらの園が運営を開始してからもたくさんの相談を頂きます。
このことから、OLive保育園は「常に行政や他の園から手本・基準として見られ続ける責任を負う」ことになりました。
これはOLive保育園にとって大きなプレッシャーでもありますが、企業主導型保育事業が正しく運用されて、地域の子供たちと保護者の皆さんの明るい未来につながっていくことを心から願っています。
OLive保育園が運営する企業主導型保育は、小規模保育に近い形態の保育であることから、小規模保育のメリット・デメリットを見ると理解しやすいです。
小規模保育のメリット・デメリット