企業主導型保育は「働きやすい環境づくり」を支援する保育園です。
「企業主導型保育」は、働きやすい環境づくり(仕事と子育ての両立)を支援するための保育園として、企業のニーズに応じた、保育所の柔軟な設置・運営を助成する制度で、平成28年度から始まった新しい事業です。
※保育の大枠カテゴリで言うと「認可外保育施設」に位置づけられる保育園です。
知っておきたい企業主導型保育のメリット・デメリット
企業主導型保育は認可外保育施設ではありますが、こども家庭庁の許可をもらい運営するため、国から運営費・整備費の助成金が出ます。
助成金が出ることにより、保育料が一般の認可保育園並みになります。
※通常の認可外保育施設は独自設置で、設置前の認可や届出はありません。通常、国・都道府県・市町村からの助成金はありません。
事業の目的(内閣府ホームページより引用)
- 本事業は、企業主導型の事業所内保育事業を主軸として、多様な就労形態に対応する保育サービスの拡大を行い、仕事と子育てとの両立に資することを目的としています。
事業の特徴
- 働き方に応じた多様で柔軟な保育サービスが提供できます。
(延長・夜間、土日の保育、短時間・週2日のみ等の利用も可能) - 複数の企業が共同で設置することができます。
- 他企業との共同利用や地域住民の子供の受け入れができます。
- 運営費・整備費について認可施設並みの助成が受けられます。
ポイントをまとめると次の4つになります。
- 国から助成金が出るため保育料の保護者負担額が軽減される
- 提携企業に勤める従業員の多様な働き方に対応できる
- 複数の企業による共同利用(企業枠)や地域の子供の受け入れ(地域枠)ができる
- 入園は保護者が園に直接申し込む
上記のポイントを少し詳しく解説します。
1.保育料の保護者負担額が軽減される
認可外保育所の保育料は1人5、6万円~10万円が一般的ですが、国から園に助成金が出ることで、保育料(保護者負担額)が軽減されます。
企業主導型保育事業の保育料は各園が独自に設定しますが、国から保育料保護者負担額の概ねの目安が示されており、むやみに保育料を上げることを制限しています。
2.従業員の多様な働き方に対応できる
企業主導型保育は「事業所内保育所」の延長(拡大)というニュアンスで捉えるとわかりやすいかもしれません。
それぞれの企業によって勤務の曜日や時間など働き方は様々で、地域の保育所ではカバーしきれない部分が多くあります。
企業主導型保育は各企業で働く従業員の保育ニーズに対応できる園として設置運営します。
園の設置運営に関しては、企業が保育所を作って運営することもできますが、既に保育所の運営をしているなど経験のある法人に委託運営することができます。
3.複数の企業の共同利用や地域の子供の受け入れができる
共同設置した企業が利用できる定員枠以外に 地域枠があります。
地域枠は設置した企業ではない他の企業に勤務する人や、一般のご家庭が利用できる地域の定員枠です。
この地域枠の申し込みは市役所を通さず 園に直接申し込みになりますので、行政による審査・認定がなく任意で受け入れることができるため、地域の実情に応じてかなり柔軟に対応することができます。
下記は利用のモデル例です。
参考:内閣府ホームページ 企業主導型保育事業チラシ
4.利用者と施設(園)の直接契約
利用者は園(施設設置者)と直接契約をします。
(市役所の窓口への申し込みではなく、園に直接利用の申し込みをします)
通常、認可保育所に入園させたい場合は自治体(市役所)に申請して「保育の必要性」を認定してもらう必要があり、認定されない場合は園の利用ができません。
しかし企業主導型保育の場合は、就労要件など一定の基準を満たせば自治体の認定が必要なく利用契約ができます。
さらに認可保育所並の保育料で利用することができます。